!気づいたら 11月...今年は,まだ1/6残ってる. !「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」 前半は,明治から「読書」がどういう変遷をたどったか,という話. それぞれの時代背景の中で,どういう人達がどういう本を,どう読んでいたか,が整理されている. 明治の「西国立志伝」から大正の親鸞ブームへの変遷や, 大正末期の「痴人の愛」や1960年代の司馬遼太郎ブーム, その後の「窓ぎわのットットちゃん」「ノルウェイの森」「サラダ記念日」, 1980年代の吉本ばななや山田詠美,などなど, その時々の社会の人々の働き方や暮しを踏まえて考察されていて, なぜ読めなくなるかについて考える準備として,働くことと読書についてまとめている,と. ここでは取りあげられてないかったけど,最近の「なろう系」も同じように見えるなあ,とか. 途中,出版業界の事情も踏まえた「円本」の話にも,なるほどなあ,と. 後半以降は,題名の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の回収. * 情報=知りたいこと * 知識=ノイズ+知りたいこと, とした上で, ノイズのないスマホゲームやファスト教養には手がのばせても, 新しい文脈に出逢う可能性がある読書には,偶発的なノイズがあって余裕が必要,と. 明治から戦後は「社会に関する知識」が,現代では「自分に関する行動」が必要とされ, だから,過去においては「社会に関する知識」を得るための読書が労働にも関係していた. 一方で,現代ではそうではないので,読書は余暇でしか楽しめない, 逆に言うと余暇がないと読書ができない,と. で,その解決のために半身で働く半身社会を目指しませんか,というのが最後の主張. 最後の主張にはだいぶ駆け足感じがあって,割と最近良く聞く主張に落としたなあ,と, 賛否いりじまった読後感. 途中,参考文献に挙げられていた「本の百年史 - ベスト・セラーの今昔」は, 1965年出版の百年史....どんなものだろう読んでみよう.