!"バカの壁" 湯之上さんの[クルマ産業は半導体の「バカの壁」を超えられるか?|https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72522]を読んで, そういえば,バカの壁を読んだことなかったなあ...と図書館で借りてきて読むなど. 「わかっている」のと「雑多な知識が沢山ある」のは違うという話に,なるほどなあ,と. 中盤あたりの  知るということは,自分がガラッと変わることです.したがって,世界が まったく変わってしまう.見え方が変わってしまう.それが昨日までと殆ど 同じ世界でも. とか,最後あたりの  知的労働というのは,重荷を背負うことです.物を考えるということは決 して楽なことじゃないよということを教えているつもりです.それでも,学 問について,多くの学生が考えることについて楽をしたいと思っているので あれば,そこにはやはり,もうどうしようもない壁がある.それはわかる, わらないの能力の問題ではなくて,実はモチベーションの問題です.それが 非常に怖い.  崖を一歩登って見晴らしを少しでもよくする,というのが動機じゃなくなっ てきた.知ることによって世界の見方が変わる,ということが分からなくなっ てきた.愛人とか競走馬を持つのがモチベーションになってしまっている. そうじゃなければカルト宗教の共用を「学んでいる」と言って楽をしている か. というところに感じ入ってしまった. 2003年発行らしいけど,ニューラルネットワークの説明やら, 入出力を y=ax で捉えて a によって反応が様々であるという説明,やら, 実と虚の経済の話と次の貨幣の根拠はエネルギーになるという説,やら, 今まさに,というものに通じるあたり感心してしまった. あと一回くらい読んだら,また数年後に読んでみたいな. 世界とはあやふやなものだと知っていたというくだりで引用されている 藪の中は https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/179_15255.html で読めるのがありがたい.