!「国家の品格」 を読んでみました. 小学校の道徳公開授業(授業参観の一環的なやつ)というイベントの間の, 保護者向けの講演の中で引用された,のが,きっかけ. 引用されたのは,会津藩の「什の掟」と「ならぬものはならぬ」という部分だったのだけど, 講演者の話では,なんだか,もやもやしたので,本を手にとってみた. 本の帯の「日本論」とかっていうあおりや,日本すごい,的な話はおいておいて, 論理よりも情緒が大事という著者の持論を, 『「論理」だけでは世界が破綻する』として, そもそも論理が世界をカバーしていないという話をゲーデルの不完全性定理から説明されたり, 論理が正しくても,出発点が正しくないと答えは誤る. 論理の運びが上手な人ほど,自分の正当化の道具として使える とか, 数学では公理系から出発するから論理を安心して使える. でも現実の世の中には,公理系はないので,そうじゃない と説明されるあたりは面白いなあ,と. また,天才の生まれる3つの条件は, 「美の存在」「跪く心」「精神性を尊ぶ風土」 という主張にも, 天才というか,この人賢い人だなあ,と頭に思い浮かぶ人は, 美意識が高かったり,謙虚だったりするなあ,と,なるほどなあ,とか. まあ,なんというか,面白いエッセイではあった. ちなみに,ナショナリズムやパトリオティズムをひとまとめに「愛国心」とするのではなく, パトリオティズムを「祖国愛」と訳すのは,よいなあ,と.